私が起業家時代に投資家を尋ねた話(プレゼン当日編)

昔、私が脱サラして起業した時に、ある上場企業の社長へ、事業提携の話をしに行ったことがありました。投資者を募集されている起業家との面談で、少しお話にあがり、あなたのお役にも立つかもしれないと思いましたので記事にしています。

記事は「アポイント」、「プレゼン当日」、「投資に向けた活動」、「500万円出資の行方」、「その後の縁」と、全5回に分けて書いています。今日は、2番目の「プレゼン当日」です。

アポイントが取れたからと言って、浮足立つのはまだ早いです。アポイントから2週間後に控えた、プレゼンで全てが決まります。ここで、今回のプレゼンの目的を明確にしておく必要があります。

プレゼンの目的は、「全然売れていない、私の商品の買い手と同じ相手に対して、サービスを提供している、ある上場会社に、自社のお客さんを紹介してもらい、あわよくば、私の代わりに営業してもらおう」と言う、(私にとってのみ)とても都合の良いものです。

しかし、このままでは、相手に取ってメリットがなく、提案にさえなりません。ですから、アポイントを取る際に書きだした「自分が提供できるメリット」の一覧を基として、プレゼンの内容を考えました。

その内容は、簡単に言うと「私の販売している商品は特許化していて、オンリーワンの商品です。この商品を、撒き餌さ(まきえさ)にすれば、御社は、新しいお客さんを捕まえられます。だから、協業しましょう」というような内容です。

私は、会社員でサラリーマンをしていたところから、脱サラして起業家となりましたが、サラリーマン時代に、営業をしていた訳ではなく、どちらかと言えば技術畑です。そのため、このような提案に慣れている訳ではありませんでした。

来る日も来る日も、プレゼンのシミュレーションを行い、2週間はあっという間に過ぎました。そして、プレゼン当日がやって来ました。当日は、T社長だけでなく、もう一人の取締役が出てこられました。緊張でカチコチのまま、約1時間のプレゼンがスタートしました。


プレゼンでは「自分が、相手に提供できるメリット」を全面に打ち出していましたので、想像していたより良い感触だったと記憶しています。しかし、最後にT社長から「ダラダラ話が長い!」とお叱りを受けました。

面談が終わった後、駅に向かうタクシーに同乗させてくださったT社長は、「このようなプレゼンでは、どのように話が進むのか、また提案にどれくらいの時間がかかるのかを、相手に事前に言っておかないと、最後まで聞いてもらえないよ」と助言して頂きました。

この経験を通して私は、「提案される側の立場に立って、話しなければならない」と学ぶことになり、これは、その後の人生においても、大いに役立つものとなりました。

あなたも、起業家としてエンジェルや個人投資家にプレゼンや提案をする機会があるなら、「自分が伝えたいこと」にフォーカスするのではなく、私が教えて頂いたように、「相手が知りたいであろうことにフォーカス」されることをお勧めします

さて、この面談。実は「当社がエンジェルになりましょう」と言う結論で終わったのですが、そこで出された条件などは、次回のお話とさせて頂きます。次回は、「投資に向けた活動」のお話です。


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