不特定多数の人から出資を募ったら出資法違反ですか?

あなたが会社を設立する為に、ウェブサイト上にある掲示板やマッチングサイト、その他交流会などで出会った不特定多数の人から、起業に必要な出資を募ったとしたら、それは出資法違反になるでしょうか?

答えは、「出資金を募ることは出資法違反にはあたりません」。よく知らない人は「不特定多数からお金を集める=出資法違反」と言うようなことを言ったり、書き込んだりしていますが、これは間違いです。

通称「出資法」と言われる法律、正式には「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」と言いますが、簡単に言えばこれは、不特定多数の人から、お金を集めるときに、次の3つを禁止しているだけです。

  1. 出資なので融資(貸付)のように、元本保証したり、利益を約束してはダメですよ
  2. 銀行ではないので、預金をさせるようなことはダメですよ
  3. お金を貸す時は、高い利息をつけてはダメですよ

どうですか。そんなに難しい事を言っていません。これを見ると、「不特定多数からお金を集めることは、出資法違反」と言うのが嘘だと、判って頂けるかと思います。


これに加え、そもそも、 会社を設立する時に、不特定多数から出資金を募集する行為は、出資法を心配するような行為ではありません。なぜなら、 「出資を募って会社を設立する」と言う方法は、「募集設立(ぼしゅうせつりつ)」と言って、2つある会社設立方法のうちの一つだからです(もう一つは「発起設立(ほっきせつりつ)」と言います)。

そのため、あなたが、投資家を募集している人が集まるSNSや、出資者が欲しい起業家とエンジェルのマッチングサイトなどを通じて、エンジェル投資家や個人投資家から出資を集め、会社を設立(募集設立)し起業するというのは、どの法律にも違反するはずがありません。

もちろん、その出資を集めるときに、先ほどの「出資法でダメと言っている3つ」をしてはいけませんよ。募集設立であっても、その出資を集める過程で、「出資法でダメと言っている3つ」をしてしまうと、それは違法になってしまいますからね。

投資家が欲しいと思っておられる起業家の方と、私がエンジェルとしてお話しさせて頂くときにも、この「出資法うんぬん」というお話が出てくることがありますので、ここで記事にしてみました。あなたが起業が、このような嘘の情報で遅くなったり、諦めることになったりしなければいいなと思います。是非、良いスタートを切ってくださいね。


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