融資・投資・出資、同じような言葉で違いが判りません

新事業(新しいビジネス)を始めるにあたって、資金調達をしたいと思っている起業家のあなた。融資や投資や出資、同じような言葉ですし、あまり普段は聞かない言葉ですので、少し混乱しているかもしれません。

ここで少し、融資と出資と投資がどう違うのか、その違いを簡単に説明してみたいと思います。まず、出資と投資は同じであると考えて構いません。ですから、比較は、融資と出資(投資)の2つに分けて見ていきたいと思います。

比較表

まず、融資と出資(投資)の違いを、一覧にして書いてみました。それぞれ、このような特徴があります。

 融資出資(投資)
簡単に言うとお金を借りるお金の運用を任される
失敗したら返す必要がある返さなくてもいい
成功したら返す必要がある返さなくてもいい
相手の利益利息をもらえる成功したら配当をもらう
相手の利率利息と同じ出資比率と同じ
期限期限あり期限なし
何を見てるかお金を返せるか起業プラン

融資の場合

  • 100万円融資
  • 利率10%
  • 契約期間1年
  • 利益200万円

1年後に、200万円の利益がでたら、融資してもらった100万円の元金に、10%の利息を付けて、110万円返します。融資の返済は、会社がどれだけ利益を出したかは関係なく定額です。もちろん、会社に利益が出ていなくて、赤字だったとしても、返す義務があります。

融資は、借りたお金を全額返してしまうと、もうお金を払う必要はありません。融資をする場合、金融機関は、あなたの起業プランの将来性より、「あなたが、貸したお金と利息を返せるか」を見ています。担保を要求することが多いのも、それが理由です。

では次に出資を見てみましょう。


出資(投資)の場合

  • 100万円投資(出資)
  • 出資比率(出資した100万円が、必要な資金総額の何%に当たるか)10%
  • 利益200万円

融資と同じ条件にしました。1年後に、200万円の利益がでたら、その利益は、出資比率(必要な資金の何%を出したか)に応じて配当します。この場合は、出資した人の出資比率は、10%ですので、200万円のうちの10%、20万円を配当することになります。残りの90%(200万円のうちの180万円)は、残りを出資した人が、配当を得る権利を持っています。

出資(投資)の場合は、融資と違い、利益が出ていなければ、配当する必要はありません。出資した金額を超えて配当を払っても、出資者が株を誰かに売るか、会社がなくなるまで続きます。投資(出資)をする場合、エンジェルや個人投資家は、お金が戻ってくるかより、「あなたの起業プランに将来性があり、起業家とエンジェルの両方に利益をもたらすのか」という部分を見ています。



簡単に「融資」と「出資(投資)」の違いを説明してみましたが、理解できましたか?どちらが良いかというのは、集めなければならない額や、起業家のあなたが求めているものによって変わるでしょう。

融資とは違い、エンジェルや個人投資家が行う出資(投資)は、彼(彼女)たちが持っている、経営についての知識やノウハウを提供してもらえることも多いものです。これは付加価値でもあるでしょう。

短期的に資金を調達したいのであれば、融資でいいでしょうし、長期的に安定した資金を調達したいのであれば、出資(投資)を選ぶのもいいかもしれません。あなたに適した資金調達を行うことができ、スムーズにあなたの起業プランがスタートアップできますように。


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