出資(投資)した人への配当はどれくらい渡せばいいのですか?

あなたがビジネスを始めようと思い、そのために必要な資金を出してくれる出資者(投資者)を募集するとします。その出資者へ、あなたはどれくらいの見返りを払えばいいと思いますか?

融資の(お金を借りた)場合は、利息制限法という法律で、利息の上限が決まっています。では、投資の場合はどうでしょうか。3%でしょうか、5%くらいでしょうか、それとも、もう少し高いのでしょうか?

答えは、「見返り(株式会社への投資の場合、配当といいます)の率は出資比率と同じ」です。出資比率=配当比率です。ですから、もしあなたが全体の50%を出資し、他の出資者が残りの50%を出資したのなら、配当比率は、あなたと他の出資者で50%ずつとなります。つまり、残った利益を半分ずつ分けるということですね。

では、もしこれが仮に、あなたは出資せず0%、他の出資者が100%を出資した場合は、どうなるでしょうか。そうです、ご想像の通り、配当比率と出資比率は同じですので、配当の分配はあなたが0%、他の出資者が100%となります。

「えっ、それおかしいんじゃない?利益を100%持って行かれたら、私は何のために起業するの?騙されているようなもんだ!」と、あなたは思われるかもしれません。それだったら、他の出資者を募集しないほうがマシじゃないかと思われましたか?


しかし、落ち着いて考えてください。今ここでお話ししているのは、「利益の」分配の話しです。利益は、全ての経費を払った後に残るものです。経費のひとつとして、あなたは、社長としての報酬(サラリーマンの給料のようなものです)を受け取ればいいのです。そして、あなたの報酬を支払った後に残った利益は、先ほどの話しの通り、出資比率により分配することになります。

もし、あなたが少しでも出資をしていた場合は、出資者としてのリスクと引き換えに、出資比率に応じて利益の分配を受け取れますし、もちろん同時に、社長としての報酬も受け取れます。

逆にもしあなたが少しも出資をしていない場合は、出資者としてのリスクは一切負わずに、社長としての報酬のみを受け取ることができます。どちらも十分に、起業する価値があると思いませんか?

もちろん、利益の全てを配当として出してしまわずに、次の展望や会社の成長のために、一部の利益を会社に残し、残りを分配することも可能です。その辺りは、あなたと出資者との間で十分に話し会って決めてください。どうですか、少し出資についての霧が晴れましたか?


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