自分に正直に問い続けることが出来る人は成功する

自分のことや、自分がこれから始めようとすることについて、どれだけ客観的に眺め、そして考えることが出来る人かということは、起業家に求められる素質の一つと言えるのかもしれません。この一文を読むだけで、多くの人は考えるのをやめるか、読むのをやめることでしょう。なぜなら人には「自己防衛本能」が備わっており、自分を責めるものからは、なんとか理由をつけて逃れようとするからです。

しかし、真実から目を背けても何もなりません。それは、夏休みの宿題を先延ばししている小学生と何も変わらないのです。またこれを書いているわたしも、あなたが起業に失敗したからといって、痛い思いをするわけでも、損をするわけでもありません。とはいえ、せっかく目を輝かせて起業に踏み出しても、残念なことに1年以内に失敗する人も多いので、少し助言したくもなってしまいます。

もしあなたが、そのようになりたくないなら、開業してすぐに廃業するような結果を望まないのであれば、まず、自分がしようとしている事業を、素直な目で見つめてみてください。「そのビジネスを始めたい」とか、「ある商品を売りたい」という考えは、一切考えず、全てを一旦横に置いて考えてください。そのような気持ちがあると、どうしても思考にバイアスがかかり(考え方に偏りがでて)、無理矢理にでも自分が欲しい結論へと歩を進めてしまいます。

このような場合、残念ながら本人は、自分の欲しい結論へと自分を誘導尋問したことさえ気づかず、失敗に向かって一直線に進んでいってしまうことは少なくないのです。そのため、「売らんかな(売りたいな)」という考えは一切捨ててみてください。


そして素直に、自分と自分のビジネスについて見つめ治してみてください。あなたが始めようとしているビジネスは、必要とされていますか?あなたはなぜ、それが必要とされていると感じているのでしょうか?それは、あなたの周りの人に説明しても、「自分勝手な理屈だ」と言われないほどに合理的で、誰が聞いても納得できるほど結論でしょうか。

ここまで読んでいるあなたは、きっと柔軟で素直な考えをもっておられるのでしょう。そんなあなたでさえ、「自分のビジネスの必要性を自問する」というのは、きっと想像以上に難しいことだと思います。どうしても人間は自己防衛本能によって、自分でも気付かないうちに、自分にとって有利な結論にもっていこうとしてしまうからです。

それを自ら制限し、なんどもなんども基本に立ち戻って考えることが必要なのです。わたし自身、起業家時代にはそのように考えてきましたし、考えた結果、途中で事業を中断し撤退したり、事業譲渡したりを繰り返してきました。ですからこの大変さや苦しみは痛いほど判ります。しかし、それを繰り返してきたからこそ、多くの失敗をしながらも立ち直れるほどの傷で済んでいるのだと思います。

あなたがもし、今から起業しようとしているのだとしたら、辛いでしょうが一度自分の起業プランを素直な目で見つめ「誰がこれを必要としているのだろうか」、「それはわたしが自分の商品を売りたいから無理やりにそう思いたいのではないのか」と(できれば少し厳しめの)自問をしてみるといいでしょう。それでもやるべきだという結論に達したのであれば、ぜひ一歩踏み出してみるといいでしょう。


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