投資や出資を受けると自由が効かなくなりそうで心配です

新事業を始めたいけど、資金不足やリスク分散の考えから、個人投資家やエンジェル投資家から、出資を受けることを検討されている方の中には、「投資を受けると、自由が効かなくなる」という理由から、足踏みされている方も多いようです。では、実際のところ、どうなのでしょうか。

まず、日々の経営についてですが、これは、エンジェルなどから出資を受けたからといって、何も変わることはありません。今まで、起業家自身が社長として決定していたものまで、投資してもらったエンジェルにお伺いを立てなければ、決められないといったことはありません。

部下が上司に承認を求めるように、なにかにつけて「いいですか?」と聞かなければならない事はありません。投資を受ける前と変わらず、あなたが社員からの報告をうけ、判断すればいいのです。

しかし、なにもかも自由にできるかと言えば、そうではありません。日々の経営ではなく、会社の方針や方向性を決める場、通常は株主総会の場では、出資比率にもよって、あなたの自由になるかどうかが分かれます。

もし、出資比率の過半数(50%超)を、あなた(起業家)が持っているのであれば、これも日々の経営での判断と同じように、殆どの事についてあなた(起業家)の自由に決めることができます。


仮に起業家と投資家、それぞれ1名が出資していて、株主総会で意見が2つに割れたとします。この場合、殆どの事について、50%を超える出資比率を持っている側の意見は、例え相手が反対していたとしても、無理やりにでも通すことができるのです。

ですから、あなたが起業家で「出資を受けたいけども、どういう場合にでも反対されず、自由に決定したい」というのであれば、最低でも50%を超える出資比率で株式を持っている必要があるでしょう。

もちろん、自由度で言えば、出資比率は多いに越したことはありません。50%超よりは3分の2以上のほうが、より自由度が高まり、株主の利益を損なうような決定でも、起業家のあなたが(反対されても)自由に決められるようになります。

このように、出資をしてもらった後も、出資をしてもらう前(100%株主であった時)と同様、なんでも自由に決める方法はあるのです。どの方法にも、正解や間違いはありません。あなたの始められた事業なのですから、あなたが納得される方法で、資金調達されることが一番です。

私は、良いパートナーと巡りあうのは、縁がつなぐものだと思っています。あなたにも、あなたにピッタリの個人投資家やエンジェル、ベンチャーキャピタルが見つかることを祈っています。


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