起業家自身が資金調達において、融資でお金を調達するか、それとも投資を受け入れるかが決まっていない場合、まずそれをはっきりと決める必要があるでしょう。もしその答えがでないうちに銀行や投資家と話をしても、ほとんどの場合期待する結果を得ることはできません。なぜなら「融資か投資か」という問題は、起業家自身の考え方によって決まるものであって、他の誰かが決められるものではないからです。
利息を払う約束でお金を借りる「融資」も、会社や事業の持ち分と引き換えにお金をもらう「投資(出資)」もそれぞれに特徴があります。そのためそれぞれのメリットやデメリットを含めて知り、それを理解したうえで「どのような目的で、どのような人から、どれくらいのお金を、どうやって集めるのか」を決めておく必要があるでしょう。
これを自分で理解せずに銀行家や投資家に「私は融資と投資、どちらで資金調達すればいいだろう」と尋ねるのは、(少し例えが悪いかもしれませんが)気になる二人の異性に「私はあなたとあの人、どちらと結婚すればいいのでしょう」と聞いているのと同じようなものです。これで満足の行く結果が得られるでしょうか?
いいえ、得られるはずはありません。まず自分自身でどちらが今の自分にあっているのかを考え、そして決めてから相談することで、自分にあった資金調達ができることでしょう。
さて先程の例えは少し極端だったかもしれませんが、恋愛の例えは別として起業家はどのようなときも自分自身で考え決断する癖を付けておく必要があると言えるでしょう。それは先輩起業家やコンサルタントに相談するときでも同じです。「相談する」というのと「決めてもらう」というは同じではありません。
相談するというのは「相談相手だったらどうするか」というだけで、それをそのままあなたに当てはめたからといって成功するとは限りません。相談した相手の意見を念頭に置きながら、最後は自分で決断する必要があるのです。
このように起業家は絶えず「自分で決断する」場面が多くあります。特に先程の資金調達などの場合では、数字が苦手な経営者であれば「任せるから宜しく!」と逃げたくなるのも判ります。しかしそれが事業の成功と失敗を分ける可能性もあるのですから、逃げずにしっかりと向き合うようにしましょう。
なお投資や融資の違いなどについては、このサイト内でも過去にたくさん記事を書いて説明しています。サイト内にある検索ボックスに「投資」や「融資」など該当するキーワードを入れて検索すると探せますので参考にしてください。
そしてこの記事を読んであなたが十分に検討した結果「自分は投資で資金を調達する」と決めたなら、個人投資家やエンジェル投資家、ベンチャーキャピタルなどに会いに行くといいでしょう。そしてその時には是非わたしにも声をかけて下さいね。あなたにとって最善の資金調達ができることをお祈りしています。