「形になったら検討します」と言われた起業家のあなたへ

新しいビジネスを始めるため、最初のアイデアを形にする段階において、投資や融資を募ろうとする場合、銀行や個人投資家へ「形になったら検討します」と言われガッカリした経験はありませんか?

これは、投資や融資を求めている起業家の側からすると「形にするお金がないから、ここに(投資や融資を受けに)来ているんだよ!」と怒りたくなります。これは、わたし自身も起業家時代に思ったことですし、投資家になった今、逆に投資面談でそのように言われることもあります。そのため、起業家の言い分は痛いほどよく判ります。

それでも(少なくともわたしは)「形になっていない案件」にも投資をしています?から、「形にならないと投資しない」ということはありません。では、「形になっていないのに、投資や融資が付く案件」は、なぜそれで資金が集められるのでしょうか。

わたし自身そこに興味があったので、ここ数日考えていたのですが、やっと自分なりに今の答えが出たので、ここでシェアしておきたいと思います。


まずひとつは、先ほどから話をしている「形になっているか」です。しかし、これについてわたしは「必ずしも物理的な形になっている必要はない」と考えています。例えばそれが今はまだ形になっていなくても、「形になっているかのように具体的にイメージできる」のであれば、それは十分に投資や融資を検討する土俵に乗っているといえるでしょう。

実際わたしも投資面談を受けていて、それがまだ世にないサービスなのに、あたかもそれが既に実現しているかのような錯覚に陥ってしまうプレゼンテーションをされることがあります。そのような時には、既にそのサービスを具体的にイメージできている状態ですから、「本当に形になっているかどうか」は全く問題になっていないのです。

こうして考えると、「形になってから持ってきて」と言われてしまうのは、(少し辛口な言い方をすれば)「形がないとイメージできないプレゼンテーションになってしまっている」ということになるのです。

また仮に、まだ形になっていない案件だったとしても、その起業家自身に魅力があったり、また、その分野における経験や知識などの造形が深いなどの理由がある場合には、投資などによってお金が集まる可能性も低くないでしょう。

さあ、あなたが投資や融資によって資金調達を行おうとして「形になったらまた来てね」と言われた経験があるなら、その時のプレゼンテーションを、改めて見直してみてはいかがでしょうか。それだけで結果が大きく変わってくるかもしれませんよ。あなたが成功されることをお祈りしています。


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