あなたがもし、「これから起業したい」とか、また「いつか起業したい」と思っているけど、いまはまだ会社員としてサラリーマンやOL、またはパートやアルバイトをしているのだとしたら、ひとつ準備しておいて欲しいことがあります。
それは、「いまあなたが関わっている事業の価値を値踏みしておくこと」です。もっと簡単に言えば、「今あなたが関わっている事業を、あなた自身が買い取るとしたらいくらで買うか」ということを絶えず考えておくということです。
もちろん、条件付きでも構いません。そして、お金は(投資家や銀行などから)調達できるという前提で考えてください。例えばこんな感じです。
- この会社ごと買うなら、幾らかな
- いまの部署だけ買い取るなら、自分は買い取るかな
- 採算のいいあの店だけなら、いくらで買うかな
- いまの事業部を買ってから、こんな改善をしたらボロ儲けだな
- 自分は黒字にする自信があるけど、今赤字になっているこの事業なら、これくらいで買えないかな
わたしは、20代前半でアルバイトをしている時代から、こうして会社や事業を自分ならどれくらいで買うかを妄想していました。もちろん、買う金額は安いに越したことはありませんが、買う時には必ず相手がいることですから、あまり安い金額では相手は納得しないでしょう。
例えば、年間1000万円の利益が出ている事業に対して「10万円なら買うよ」と提案しても、それは「3000万円の新築の家を30万円なら買う」と言っているのと同じですから、その提案に乗ってくる人はいないでしょう。それでは全く意味がありません。
言い方を変えれば「自分が逆の立場(売り手側)だったら、最低でもこれ位は欲しいよね」という金額を探す必要があるのです。もちろん、このようなシミュレーションをしていても、ほとんどの場合はあなたが実際にシミュレーションのように事業を買い取るというような話になることはありません。
しかしこのようなシミュレーションの癖をつけておくだけで、実際に同じような話が出てきた時のスタートダッシュは確実に違います(わたしも実際、若い頃からの「事業売買シミュレーション」は大変役立っています)し、そのスタートダッシュによって本当にチャンスを手にすることがあるのも事実です。
またもし、あなた自身にそのような話がなくても、あなたの周りでそのような事業買収の話が持ち上がったとき、あなたは普段のシミュレーションを活かしてコンサルタントとして活躍できるかもしれませんし、そのままコンサルティング会社を立ち上げることになるかもしれません。
チャンスや縁は、目の前に突然現れ、そして去っていきます。それに勇気を出して手を差し出すことができるのは「前から準備していた人」だけなのです。
さて、あなたはどうですか?胸を張って「準備ができている」と言うことができますか?もちろん、今日からでも決して遅くはありません。さあもう一度、この記事を最初から読み直して、あなたなりの準備を始めてみてはいかがですか?