わたしはとても無精者です。また、余計なものを増やすにも好きではありません。そのため、どんなものでも(それが本来の使い方ではない方法であったとして)、ほかのものと兼用できないかをいつも模索しています。
例えば普段の生活の中で、今までに兼用を模索してみたものを幾つか挙げてみましょう。
- お茶碗とどんぶり鉢
- コップとグラス
- バスタオルとフェイスタオル
- ハサミとカッター
- ハサミと爪切り
- 洋服とパジャマ
- 肌着とTシャツ
- 枕とクッション
- 靴とスリッパ
- 箸とフォーク
- パソコンとスマートフォン
- 下着と水着
その他にも挙げればきりがありません。もちろんこの全てが成功したわけではなく、成功したものもあれば、「やはり兼用はむずかしい」と諦めたものもあります(下着と水着はその代表格です)。
ところがわたしがこういう話をすると、決まって一部の人は「そもそも、それは正しい使い方ではないんだから」と言うのです。このような反応に出会うとわたしは、なぜかいつもこの「正しい」という言葉に、違和感を覚えてしまうのです。
そもそも「正しい使い方」とはなんでしょうか。機械などの場合には、最初に想定した使い方がそうなのでしょう。「想定している使い方以外の使い方をして、怪我をしても責任を取りませんよ」というものです。
しかし、それ以外はどうでしょうか。例えばハサミは、紙を切るのが正しい使い方で、爪を切るのは間違っていると言えるのでしょうか。また、枕は頭をおくものだから、その上に座るのは間違っていると言えるのでしょうか。
わたしはそうは思いません。なぜなら、わたしは「正しいを決めるのは使っている人だ」と思っているからです。例えばあなたが、とても軽い力で綺麗に紙が切れる、いままでになかった程のハサミを開発して全世界へ向けて売り出したとしましょう。もちろん、あなたの中での「正しい使い方」は、「紙を切ること」でしょう。
しかし、それをある国では料理で肉や野菜を切るために使い、またある国では庭の枝を切るために使うかもしれません。またわたしのような人は、そのハサミをお箸の代わりに使うかもしれませんし、ある子供はあろうことか、あなたのせっかくの発明品を、地面に穴を掘るスコップの代わりに使うかもしれません。
さて、このような使い方はすべて「あなたが決めた使い方」からは大きく外れていることでしょう。でもだからと言って、間違った使い方でもないはずです。あなたの商品を買った人は「自分の中の、何らかの問題を解決するため」にあなたの商品を手に入れたに過ぎないのであって、「あなたのハサミ」が欲しいわけではありません。
ここを勘違いすると「自分が正しいと思うもの」だけを押し付けるビジネスとなってしまいます。そして、そのようなビジネスは、たとえあなたが人生のすべて時間と、全財産をつぎ込んだとしても、決して実ることは無いでしょう。
これは、一般人ならまだしも、起業家や起業家予備軍のあなたには、絶対に陥って欲しく無い罠ですので気をつけてくださいね。そしていつも同様、あなたのビジネスモデルが同じような罠にはまっていないか自問してくださいね。