複数のプランを同時に立ち上げてリスク分散する起業

投資の基本としてよく言われる言葉に「卵をひとつのかご(籠)のなかに入れてはいけない」というものがあります。これには、リスクを分散しておくようにという教訓が込められています。ではこの投資における「リスク分散の考え方」を、起業にも当てはめてみるとどうでしょうか。より失敗しずらいビジネスモデルができると思いませんか?

わたしは投資面談などでいろいろな起業プランを見せて頂くことがあります。そのなかには、同時に複数のプランが立ち上がり、またそれぞれが関連しあって売上を上げるような計画となっていることも少なくありません。ひとつのプランが想定を下回っても、ほかのプランが想定を上回れば、平均値では損益分岐を割ることがないように計画されているのです。

これは一見すると、とても理にかなっているように思えます。わたし自身もそのような事業計画書を見た時点では、「これなら投資したい」と思うことも少なくありません。しかし、実際にひとつひとつを見ていくと、成長スピードを過度に甘く見ていたり、対応する人員がいないままに複数のプロジェクトを並行して進めるプランになっていたりと、実現可能性が極めて低いものがほとんどです。


また、それぞれプランの相関性が高すぎてリスク分散になっていなかったり、リスクだけでなく掛ける力まで分散してしまっていて、どれもが中途半端になってしまいそうなものもあります。例えば、Aという商品が売れたら、Bというサービスを開始して、その後Cを継続的に提供してというようにプランニングされていても、すべてはAという商品が売れなければ始まらないのです。このような場合には、力をBやCに分散するのではなく、まずAに集中するほうがリスクが低いといえるでしょう。

実はこれは投資の場合も同様で、例えば投資するための資金が少ない場合には、ひとつの案件(または銘柄)に集中的に資金を投下して、短期で資金を増やすのが有効なときもあるのです。どのような知識でも得たままを鵜呑みにするのではなく、その本質を理解しておかないと、逆にリスクを高めてしまうことにもなりかねません。あなたの起業プランは大丈夫ですか?


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