違うジャンルで起業してみませんか?

投資面談をしていると、「この人は、違うジャンルで起業したら優位性があるだろうな」と感じることがあります。それは往々にして、その起業家の提案するビジネスモデルとは大きくかけ離れています。「今の事業ではなくて、こんなジャンルでの事業を考えてみたらどうですか?」とご提案することもありますが、それは100%の確率で否定されます。

もちろん、それでいいと思います。なぜなら、起業プランは起業家が軸となるべきもので、わたしが方向性を決めるべきものではないからです。しかしわたしはいつも相対的に見て、「今提案されたプランよりは、その起業家の過去の経験が十分に生きるジャンルのほうが優位性が高いのではないか」と思うとつい意見してしまうのです。

経験がない分野で、どれだけ素晴らしいものを見つけたと思っても、実はその分野について詳しい人から見たら「いやいや、それはこんな問題があるんだよ」ということはたくさんあります。思いつきの起業プランが、経験者を超えて成功するというのは非常に稀です(ゼロに近いでしょう)。

それを念頭において、なるべく自分が知っているジャンルを活かす分野で起業するのがいいとわたしは思っています。もちろん、自分のお金を使って起業するなら、少しぐらい冒険してみるのもいいでしょう。数百万円を勉強代で失ってみて気付くこともたくさんあるからです。


しかしそうでない場合(例えば家族や友人、個人投資家などから出資などを受けて起業する場合)は、もう少し慎重さを併せ持つのも必要でしょう。「人のお金だから勉強させてもらおう」という意識は、投資家にも伝わります。そしてそのような意識を持った起業家へ出資しようという投資家は、きっと限られてくることでしょう。

あなたが起業しようとする場合、その分野にどれだけ自分が精通しているのか自問してみるといいでしょう。あなたはその分野について、誰よりも深く知っていると言えるでしょうか。また、あなたはその分野の顧客にすぐに電話して、商品やサービスを購入してもらうことができるくらい、顧客のことを知っていますか。

もしそうであれば、あなたは心配する必要はありません。あなたは十分に優位性のある起業プランをお持ちです。ぜひ、あなたにぴったりの個人投資家(エンジェル)を見つけて投資を仰いでみてくださいね。


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