税金をたくさん払うとお金が儲かるってホント?

たくさんお金は儲けたいけども、それに対してかかる税金は少しでも少なくしたいと思う気持ちは判ります。そのため、上手に節税して会社にお金が残るようにすることは、キャッシュフローの改善にもつながりますので決して反対ではありません。

しかしこれも限度を超えてしまうと、不正に手を染めてしまうことになります。節税が行き過ぎると、プライベートでの領収書や架空の請求書などで経費を水増ししたり、実際には入金のあった売上を計上せずに隠したりするなど、小さなことから次第にエスカレートしていきます。最初は数万円程度の不正だったはずがドンドンと大きくなり、気がついたときには数百万単位の不正となっていきます。

それが例え不正な行為であっても、自分の中では「これは節税で脱税ではないんだ」と言い訳をしながら、ある程度の小銭を貯めることはできるかもしれません。しかし、わたしは逆に「たくさん利益を出してたくさん税金を払う」という気持ちでいるほうが、結果的には利益が残るように思います。

なぜなら、税金を払わないでおこうとすると、どこかで「経費はたくさん使い、売上はなるべく下げよう」とする力が働いてしまうからです。こうやって文章にするとあなたは、「利益を減らすような、そんな馬鹿なことをする人はいない」と笑うかもしれません。しかしわたしは自分の経験からそう思っています。


その逆で税金をたくさん払おうとすると、必然的に「経費は抑えて売上を上げよう」とします。税金が利益を超えることは絶対にないのですから、たくさん税金を納めることは、たくさんの利益を残すことにつながるのです。その結果、税務監査に怯えながら小さく儲けるのではなく、正々堂々と胸を張って大きく儲けることができるのです。

また、この税金に対する姿勢は、トップだけでなく従業員にも浸透していきます。そのため、会社のトップ(社長・起業家)が不正を働く会社は、その従業員にまで悪い影響を広げ、いずれは従業員も同じような事(例えば経費の水増しや横領など)を行うようになって行き、その結果、ますます利益が減ってしまうのです。

冒頭にもお伝えしたように、わたしも、ある程度の節税をすることは決して悪いことではないと思っています。しかし、事業を行う目的は「税金を抑えること」ではなく、「利益を出すこと」であるのを忘れないようにしてください。そしてその目的を達成すればするほど、当然、ある程度の税金を支払う必要があることを念頭においておきましょう。少なくともあなたは、起業の目的を見誤って、不正に手を染めてしまうことがないようにしてくださいね。


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