起業したあと生き残るために必要なこと

今日は一日、グループ会社(出資を行った法人)でのミーティングと打ち合わせに回ってきました。嬉しい話や難しい課題、当期の予定に対する進捗具合や将来の話など、いろいろな話を聞いてきました。そうやって話していると楽しくて、すぐに時間がきてしまいます。もちろんいつもいい話ばかりではありませんが、こうやって色々な事業に関われるのはとても楽しくワクワクさせられ、投資家冥利に尽きます。

今日お会いした社長たちのように、起業することは誰でもできます。しかし、起業した後に起こる問題に柔軟に対応し、その後何年も生き残ることには、少しばかりのセンスが必要です。どんな起業プランでも、自分が立てた計画から少しもズレることなく進むようなことは稀で、多くの場合、大なり小なり想定外のことが起こります。その時にどれだけ出血を少なくして軌道修正ができるのかで、その後、生き残ることができるかどうかが決まります。

自分が考えている反応と市場の反応が違ったら、また自分が想定した売上と実際のそれが乖離してきたら、そのほか人材や環境など、全てにおいて違和感を感じたら「大丈夫だろう」と楽観的に考えるのではなく、「何かが間違っているのかもしれない」と考え、慎重に少しずつ修正を重ねていく繊細さや辛抱強さを持ち合わせていることは大きな強みになるでしょう。


それはちょうど、雨が振りそうなときに、風に流れて漂ってくる土の湿ったような匂いに気がつくようなものです。周りを見ているとそのように慎重と繊細さ、そして辛抱強さを備えている起業家は、投資してからも大きな失敗をすることなく順調に成長していっていると感じます。

そうは言っても臆病なだけでは、何も決断できません。しかし絶えずリスクを頭に入れながら、もし最悪のケースに陥ったときにでも、リカバリーする案をいくつも考えておくことはできます。大胆さと無鉄砲は違います。それを履き違えると一回の失敗で全てを失ってしまいますので気をつけましょう。

これは今日お会いした社長たちと話をしながら、ふと「みんなに共通している点は何だろう?」と考えていたときに思ったことです。あなたも今から起業するのだとしたら、慎重さを忘れないようにしてください。あなたが目標にしている起業家も、外から見たら大胆に見えますが、実は緻密な計算の上で動いているのかもしれませんよ。


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