出資してもらったら、どんな見返りを要求されるか不安です
「出資」や「投資」をしてもらったら、何か見返りを求められるのではないだろうか、後が怖いのではないだろうかと、不安を感じられる方もおられるようですが、実際は、どうなのでしょうか。
私は、エンジェル投資家として、新しいビジネスや事業を行うための資金を、起業家へ出資（投資）しています。では、見返りを求めて、出資をしていると思われますか？
答えは、「はい」となります。投資は、慈善事業でも寄付でもありません。お金の運用方法の一つなのですから、お金を投資して期待している見返りは、「投資したお金を、投資額以上に増やしてもらうこと」です。
投資や出資したお金は、通常、ある目的のために使われるためのお金です。私の行うエンジェル投資の場合ですと、起業家の方が行われる新しいビジネスや事業を行うための資金となります。
そして、その事業が失敗したら、私は投資したお金を失います（返してもらうことはできません）。しかし、成功したら、その事業が生み出す利益を、出資比率に応じて受け取ることができるのです。
例えば、５００万円を投資して、もし事業が失敗すれば５００万円を失います。しかし、成功してそれが、毎年３００万円の利益を生み出すようになれば、１０年で３０００万円を受け取ることになり、５００万円が６倍に増えることになります。
この「成功した時にのみ受け取ることが出来る利益」が、投資や出資をしている人の「期待している見返り」となります。これ以上でも、これ以下でもありません。何も恐れるほどの事はないのです。
もしかすると多くの人は、成功した場合より、失敗した場合について考えて、心配されているのかもしれません。投資してもらって、もし失敗したら、どうなるのでしょうか。
何かのアニメのように、地下の強制労働施設で、奴隷のように働かされたりするのでしょうか。決してそんな事はありません。基本は、「投資してもらって、もし失敗しても、返す義務はありません」と法律でも定められていますので、安心してください。
とは言え、投資を実行する際の契約で、何かの約束をしていた場合は、その契約が有効になる場合もあります。しかしその契約が、先程の「強制労働」や「奴隷契約」のような、公序良俗（こうじょりょうぞく）に反する契約の場合は、その契約自体が無効となります（民法第90条）。
以上のように、私を含め、エンジェル投資を行う個人投資家が、起業家に対して行う投資や出資は、純粋に「その事業が成功した場合、投資した額より多くの、金銭的利益が得られる」という見返りを求めている行為なのです。
ご理解頂けたでしょうか。何も怖がることはありません。あなたは無知ゆえの恐怖に振り回されて、せっかくのチャンスを逃すことが無いようにして頂きたいと思います。あなたが、起業家として成功されることを、心よりお祈りしています。
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