オフィスは要る、要らない？あなたはどっち？
起業するために投資家を募り、不足している資金を、エンジェル投資家や個人投資家から出資してもらう場合、「形」（見た目）に多くのお金をかけている（かけようとしている）のをよく見ます。
私は毎日のように、自分に投資して欲しいと思う起業家の方と面談をさせて頂きますが、中には「起業をするなら、こういう形」という、ご自身のイメージや理想があり、「形」が先行している方もおられます。
「形」先行の代表格と言えば、やはり事務所（オフィス）でしょう。起業して、会社を創ったら、まず事務所が欲しいと思う気持ちは判ります。特に、会社員としてサラリーマンから、脱サラして起業した方なら、「会社とはこういうもの」というイメージがあるのも頷けます。
しかし、事務所は、何を生み出してくれるものでもありません。ただの箱に過ぎません。事業譲渡による起業などで、最初から数名の従業員（スタッフ）と共にスタートするなら、ある程度の事務所が必要だと言うのも、まだ判ります。
でも、自分一人で起業する「一人起業」であるにも関わらず、最初から、オフィスを構え創業するというはどうでしょうか。「ある程度の見た目も大切ではないでしょうか？」と仰る方もおられます。
果たしてそうでしょうか？どれだけ飾った立派な事務所を持っていても、創業間もない、昨日今日出来たような会社です。オフィスが立派だからと言って、信用が上がるなんてことはありません。
そう言う私も、実は起業家一年生のとき、同じように考えたことがありました。その時、先輩の経営者の社長に「なかいくん、素（す）のままの自分を見てもらって、それで選んでもらえないなら、それが今の器と思って諦め、受け入れなさい」と言われました。
今は、私もその通りだと思います。外見にどれだけ拘（こだわ）っても、中身が伴っていなければ、何の役にもたちません。あなたのお客さんは、あなたのオフィスがいいから、あなたから商品やサービスを買うのではありません。
大切なのは中身です。どれだけ、お客さんが必要としている商品やサービスを提供出来ているからです。もし、お客さんが本当に必要としているものを提供できているのなら、例え事務所がなく、あなたの自宅で起業したとしても、飛ぶように売れていくでしょう。
起業の成功と、事務所の立派さには、何の関係もありません。あなたは、もっと大切な部分に、時間やお金をかけるようにしてください。これは、あなたが自分のお金だけで起業する場合にも大切なことですが、エンジェル投資家などから投資を募る際には、特に気をつけたほうがいいでしょう。
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