エンジェル投資をしていて悲しいと感じる時はどんな時ですか?

エンジェル投資をしていて、事業が失敗するとお金が減るので悲しいとは思いますが、その他で、悲しいと感じる時はどんな時ですか?」。こんな質問を、出資者募集を行っている起業家の方との面談の中で頂きました。

そこで、今日はいい機会ですので、自分自身がエンジェル投資をしている中で、どんな時に嬉しく感じて、どんな時に悲しく感じているのだろうかと、振り返って考えてみました。

エンジェル投資をしていて悲しい時

普通、「出資した事業が失敗して、投資したお金が帰ってこなくなった時、もちろん悲しいでしょう」と思うでしょう。しかし、実はこれで「悲しい」という感情は、あまりありません。事業に失敗して、お金が無くなるというのは、最初から想定しているリスクです。それと引き換えに、成功した時の利益を期待して出資しているのですから、片方(損をする方)だけを避けようとするのは、あまりにも都合が良すぎると思っています。

それよりも今の私が、一番悲しいと感じるのは、出資した起業家が「不誠実な人であった」り、「不誠実な人になってしまった」場合です。出資において、人間性はとても重要な部分だと、私は思っています。そのため「誠実さ」というのは、投資するかどうかを判断する、材料のひとつではあります。しかし、投資実行の段階では、「誠実」と判断した人でも、起業家も人間ですから、一生同じであるとは限りません。

投資判断の段階では、誠実であったり、誠実だと思った人が、不誠実な行動をしているを知ると、根本に良い物を持っておられることが判っているだけに、「とても勿体無い生き方をされるな」と感じて、悲しくなります。不誠実は、その時には「得をした」ように思っていても、いつか自分に帰ってきます。私は身を持ってそれを経験しています。ですから、「不誠実な人」になった「誠実な人」を見ると、とても勿体無い生き方に見えて、悲しくなるのです。


エンジェル投資をしていて嬉しい時

他の投資と違い、投資対象の成長性が、抜群に高いというのは、やはりエンジェル投資の醍醐味でしょう。事業や会社の成長はもちろん、その事業のスタートアップに関わった起業家はもちろん、役員やスタッフなど、全員が大きく成長します。エンジェル投資により会社を設立し,その数年後、スタートアップに関わった彼(彼女)たちと話をしていると、「ああ、この人も立派に成長しているな」と思って、思わず笑みがこぼれることも多いです。

人間の成長は、体こそ、子供から大人への成長が終わると止まってしまいますが、中身はどこまででも成長できます(中身は、成長と言うより、円熟と言ったほうが適切でしょうか)。その、人間としての成長(円熟)に終わりはありませんので、成長を見ているのは嬉しいですし、飽きることがありません。

これからも、私はエンジェル投資家として、縁がつなぐ沢山の起業家の方へ、資金や知識を提供させて頂き、起業家の方達と共に成長していきたいと思います。いつか、縁がつなげば、あなたとも一緒に事業を行うことになるかもしれませんね。楽しみにしています。


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