金融機関に申し込んだ融資、判断基準はコレです

創業や起業の時、また起業後しばらくしてから、日本公庫(日本政策金融公庫、旧国金)や銀行などの金融機関から、資金調達をしようとした場合、何を基準にあなたに融資するか(お金を貸すか)しないかを決めているのでしょうか。

私も、毎日出資者を募集しておられる起業家の方から、色々とお話を聞いていると、日本公庫や銀行の担当者に、「社会への必要性を訴えた」「事業の成功の可能性をプレゼンした」「株式公開(IPO)も視野に入れていると熱く語った」けど、「今回は残念ですが」と断られてしまったと仰られていた方もおられます。

では、資金調達に失敗した起業家や創業者の方には、一体何が足りないのでしょうか。これを知るためには、日本公庫や銀行などの金融機関が、何を持ってお金を貸すかどうかの判断をしているかを知らなければいけません。その答えは、あなたに「返すことができるお金の流れ(キャッシュフローと言います)があるかどうか」です。基本的に、この「キャッシュフロー」があれば、お金はどれだけでも借りられます。

例えば、毎月100万円のキャッシュフローがある会社なら「3000万円を5年貸して」と言っても、十分に返せる額だと思いますよね。元本だけだと、毎月50万円返すだけですから、毎月100万円のキャッシュフローがあれば安心です。

しかし逆に、毎月30万円のキャッシュフローしかない会社が、同じように「3000万円を5年貸して」と言ったらどうでしょうか。


元本だけでも毎月50万円返さなければならないのに、毎月30万円のキャッシュフローしかなければ、返せる訳がありません。

ここを理解せずに、日本公庫や銀行などの金融機関を話をすると「残念ながらご期待に添えません」という、残念な結果になってしまうのです。「なんだ、数字だけでしか見ないのか」と思われるかもしれませんが、これは、安い利息でお金を貸している以上、仕方がないと私は思っています。この利息で、「リスクを取れ」と言うほうが無茶ですし、それをすると金融機関がビジネスとして成り立ちません(確実に潰れます)。

そもそも、将来性や可能性、株式公開(IPO)などを視野に入れて、資金を投下するのは、日本公庫や銀行などの金融機関の役割ではありません。それは、起業家へ投資や出資をするエンジェルや個人投資家、またベンチャーキャピタルの役割です。彼(彼女)たちには、「社会への必要性」や「事業の成功の可能性」、または「株式公開(IPO)を視野に入れている」という事も視野に入れ、投資や出資を行います。

あなたにピッタリと合う資金調達先は、どちらでしょうか。日本公庫や銀行など金融機関の融資(お金を貸す)でしょうか。それとも、エンジェルや個人投資家、ベンチャーキャピタルの投資(お金を出資する)でしょうか。融資と投資。これらを混同して、アプローチしてしまうと、望む結果が得られないこととなりますので、注意してくださいね。成功をお祈りしています。


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