事業ポートフォリオ(多角経営)で起業リスクを減らす

起業しようとするとき、ひとつに絞って始める人もいますし、複数のビジネスを同時に始める人もいます。これは、どちらがいい、悪いということはありません。

資金が限られた起業の場合、経営資源を集中させる意味でも、ひとつに絞りスタートすることが多いようです。お金や人材、時間を集中して使えますので、予定通りいくと損益分岐点を超えるまでの時間が短いというメリットはあるでしょう。

しかし、予定から大きく外れた場合は、当たり前ですが損益分岐点を超えるまでの時間が長くなってしまい、最悪の場合、資金ショートしてしまいます。

一方、事業ポートフォリオ(多角経営)を組んでスタートした場合は、全部が予定通りに進まなくならない限り、事業は進んでいきます。事業ポートフォリオと言っても、スタート時には2つ、3つを同時に走らせる形が多いかと思います。

私が出資している法人でも、スタート時に事業ポートフォリオを組んでいたために、当初の予想から大幅に外れた部分があっても失敗しなかったという例はあります。


この事業ポートフォリオは、なんでも良いというわけではありません。よく、「当社は、この3本柱で」などと言いますが、事業ポートフォリオは、ただ柱が3本あればいいのではないのです。

大切なのは、「相関性がなるべく少ないこと」です。簡単に言えば「それぞれの事業同士の関係性が薄く、影響し合わない関係」ということです。1本の柱が倒れたら、2本目も同じように倒れるというのでは、ポートフォリオとは言えません。

とは言うものの、相関性が完全になくなれば、管理や人の問題でコストがかかりだす可能性もあります。その辺りは、やはりバランスが大切だと思います。

「屏風(びょうぶ)と事業は広げすぎると倒れる」とか、「二兎を追う者は一兎をも得ず」などと例を出して、一般にはあまり事業ポートフォリオ化することは勧められないかもしれませんが、私は自分の出資した会社の経験から、上手にスタートすれば起業リスクを抑えることができると思っています。

もちろん、最初はひとつに絞って起業し、その後、少しづつ事業を広げポートフォリオ化していくのもいいでしょう。そのままひとつに特化して、成長を加速させるのもいいでしょう。色々な選択肢を知って、あなたがベストと思う選択をして行ってくださいね。


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