個人事業主から上場会社への道
起業するときに、個人事業主から始め、売上が上がってきたら法人成りし、そのあと投資家を募って資金を増強し、そのまま成長すれば上場させるというようなプランを描く方も少なくありません。
投資面談やコンサルティングでも、このようなお話を聞くこともあります。もちろん、このようにうまく進めばいいでしょう。しかし、残念ながら実際、このようにスムーズに流れる例は珍しいと言わざるを得ません。
なぜならそれは、「それぞれのステージで求められているものが違う」からです。また、ステージが上がるにつれて、創業した起業家自身の自由度もドンドンと下がっていきますし、説明責任も増えてきます。
加えてドンドンと規制が増えてくるのですから、当然、前のステージで決めたことが、次のステージの足かせとなり、前に進めなくなることもあり得ます。
例えば、個人事業主の時代の契約が法人成りするときに障害となることもありますし、法人成りの方法次第では、そのあと投資家を募ることが難しくなるケースもあります。
また投資家を募集して法人化したあと、上場を目指すためにベンチャーキャピタルからの出資を募りたいと思った場合には、あなたの会社に既に株主として出資している、わたし達個人投資家(エンジェル)の存在が障害となり、資金を調達できないことさえあるのです。
当然これはケースバイケースですし、周りの利害関係者の調整がうまくいけば、都度契約を変更させていくことで問題なく解決できるケースも多くあります。しかし、中にはその調整がうまくいかない場合もあります。
そうなってしまうと、せっかくの成長機会を失う結果となってしまいます。では、このようなことにならないためには、何が必要なのでしょうか。
それは「最初からゴールを決めておく」ことです。まず、自分の目的が何であるかを明確にしましょう。個人事業として自由に事業を展開したい人と、自分の事業を上場させようとする人とでは、最初から目的が違うのです。
目的が違うのに、そこへの行き方が同じはずはありません。全ては延長線上にあるのではなく、全ては違う道だと考えた方が良いくらいです。
あなたが個人事業として気楽に稼ぐのか、法人化して個人投資家への説明責任を追いながらでも大きな資金を必要とするのか、また、それ以上の責任を背負いながらでも規模を拡大させ続ける上場会社を目指すかで、進め方は全く違ったものとなるのです。
さあ、あなたはどこにゴールを定めていますか?そして今の動きは、そのゴールに向かったものでしょうか?今一度、考えて見られることをおすすめします。
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