アイデアが溢れる起業家予備軍のあなたに気をつけて欲しいこと

自分でも驚くくらいに面白いアイデアが湧き出してくる人は、そうでない人に比べ、新しい事業やビジネスを展開する上で優位性があるのは間違いありません。実際、既存の商品やサービスであっても、ネーミングや売り方を変えただけで売り上げが大きく伸びた例は少なくありません。

そのため会社員として自分のアイデア力に自信をつけた独立志向の高い人の中には「自分のアイデアがあれば、どんな分野で起業しても成功する事ができる」と考え、安易に独立開業をしたり起業してしまう人が後をたちません(言うまでもなくわたしもその1人です)。

もちろんアイデアや企画する力はとても有効な武器であるのは間違いありません。また開業や起業しようとする分野によっては、既存の仕組みにひとつのアイデアを加えるだけで大きく成功できるかもしれません。

しかし多くの場合アイデアや企画する力というのは、単体で力を発揮するものではなく、既に基盤とできるビジネスモデルが確立している上でこそ、力を発揮できるものではないかとわたしは思っています。つまりアイディアや企画力は、起業で大切な「1つのピース」にしか過ぎない場合もあるのです。


木で例えるなら、「木の幹」がビジネスモデル、「根っこ」はキャッシュポイント(課金の方法)、そして「枝」がアイデアや企画力といった感じでしょうか。木が成長するためには、それら全てが必要でどれが欠けても死んでしまいます。起業家が立ち上げる事業も同様です。

どれだけアイデアや企画力があったとしても、中心となるビジネスモデルやキャッシュポイントなどがきっちりと定まっていなければ、せっかく起業したとしてもビジネスとして成り立たず、永く事業を継続させることが難しくなるでしょう。家を建てる場合と同様に土台や基礎がしっかりしていなければ、事業も成長を続けることができません。

アイデアの前に、そのアイデアを実行することができる土台をしっかりと確立することに力を入れるようにしましょう。アイデア力に長けた起業家は、どうしても少し勇み足な傾向があるように感じます。しかし勇み足のまま起業してしまうと、大博打を打つこととなってしまいます(そして博打は負けるものと昔から相場が決まっています)。

あなたがアイデアマン(アイデアウーマン)なら、せっかく授けてもらったアイデアや企画が得意という素晴らしい賜物を持ちながら、博打の起業となって失敗しないために、一旦立ち止まって「自分のアイデアを支えている土台(ビジネスモデルなど)について考えることがおろそかになっていないかどうか」を自問してみることをオススメします。


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