あなたは「自分がどれだけ儲けたいか」で考えていませんか?

起業におけるアイデアを考えたり、それらを個人投資家という立場から聞いているばかりだと、起業家と投資家、どちらも提供する側ですから、ついついサービスを受ける側の視点を忘れそうになる事があります。

しかし、いつでも原点に立ち戻り、自分たち売り手サイドからではなく、買い手の側から見る癖を付けておく必要があります。なぜなら、どれだけ素晴らしいサービスや商品でも、売り手視点からしか考えられていなければ、(一時的には支持されたとしても)長期的な成功は見込めないからです。

例えば、わたしが新しいサービスなどについての意見を述べると、「このサービスに、そこまで手の込んだサポートを付けると利益が出ません」とか「この商品に、そんな付加価値を付けたら、こっちがやってられません」という反論が返ってくることがあります。

もちろん(いつも言っているように)わたし達が行うのはボランティアではなく事業ですから、自分たちに利益が残るように考えるのは当然ですし、儲けることが悪いことではありません。しかし「自分たちが欲しいと考える利益」を先に考えてしまうと、どうしても起業プラン自体に無理がでてしまいます。


まず考えるべきは、売り手側の自分が「どれだけ儲けたいか」ではなく、買い手側に回ったと考えた場合に「どのような商品やサービスであれば欲しいと思うか」です。そこでもし、求められているものを、求められている金額で提供できないのだと判れば、一旦立ち止まったり、撤退する勇気も必要です。

そこを無理やり売り手の視点で考え、「そこまですると採算が合わない」という視点で物事を進めてしまうと、誰も買ってくれずに売上が立たなかったり、また一旦顧客が付いたとしても、すぐに見放されてしまい、事業が立ち行かなくなることとなります。

さあ、あなたは大丈夫でしょうか(もし既にその状態になっているのだとしたら、今すぐ見直しましょう!)。自分で立てている起業プランだからこそ、全てを判っているつもりになっていますが、その反面、客観的に見ることができていないかもしれません。誰しも、自分の起業プランについて否定的な自問をするよりは、それが正しいと自分に言い聞かせる方が、安易で心地よいことでしょう。

しかし、それは後で必ず後悔する結果を招いてしまうのです。そのような悲しい結果とならないように、起業家のあなたはもちろん、その起業家を資金面からバックアップする、わたし達個人投資家も、常に買い手視点を忘れないようにしたいものですね。


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