投資実行までに必要だと感じる「ひとつのヒント」

一旦、投資に向けて進みだした案件でも、残念ながら途中で中止となってしまい、投資に至らずに終了してしまうこともあります。その理由はさまざまですが、やはり登場人物が増えれば増えるほど、その可能性は高まります。

例えば登場人物が、起業家と投資家の二人であれば、お互いが合意すれば極端な話、どのような話でもまとまります。しかし、起業家側に協同経営者がいたり、事業や店舗を譲ってもらう必要のある会社があったりする場合、どこかで話し合いがうまく行かなくなると、まとまる話もまとまらなくなります。

また、出資者が複数いる場合にも同様で、出資者同士で意見が異なり、お互いの意見がまとまらなければ、「わたしは降りる」と言い出す個人投資家が出てくることもあります(このような理由から、わたしは複数の出資者が必要な案件には、あまり積極的になれません)。

そうは言うものの実際には、「調整が不要で、最適な条件の案件」ばかりではなく、どちらかといえばその逆で、「調整が必要な案件」も少なくありません。では、その中で投資実行まで進むことができるかどうかを分けているのは、一体何なのでしょうか。

これはわたしの持論で、実際のところは判りませんが、わたしは「起業家側に軸があるかどうか」が、複数な案件を成功に導く鍵ではないかと感じています。


なぜなら登場人物が多いと、どうしても相反する複数の意見が出てきます。そのため、絶えず「こちらを立てれば、あっちが立たず」という状態になっていると言えるでしょう。その状態のなか、双方が合意し、一つの目的(起業家の事業をスタートさせ成功させる)に向かうためには、やはり「軸」が必要となるのです。

ここで注意が必要なのは、「軸がある」というのと「頑固である」というのは全く別物であるということです。その逆で「軸がない」というのと「柔軟である」というのも、当然別物です。両者は、同じように聞こえますが、似て非なるものです。

では、どこが違うのでしょうか。これは少し難しいですが、わたしは「一貫性があるかどうか」ではないかと思っています。つまり「軸がある人」というのは「一貫性をもって判断を行える人」ではないでしょうか。

これは、投資を受ける受けないに関わらず、起業したのち、事業を継続し成功に導いていくためにも必要なことです。なぜなら、起業家の周りには、従業員や顧客など、さまざまな人間が関わっていく必要があり、この「一貫性」を保つことができないと、それらの人たちから協力や理解を得ることは難しくなるからです。

さあ、あなたは自分を振り返ってみていかがでしょうか。あなたの行動や言葉は、「一貫性」に欠けていませんか?もしあなたが、人から「言動が大きく矛盾している」と言われたり、また自分自身でそう感じることがあるなら、それは危険信号かもしれませんので注意してくださいね。


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