完璧な起業プランが失敗に終わる理由を教えます

どれだけ必死にビジネスモデルを考え、ターゲットを絞って適切なマーケットに向けて仕掛けたとしても、残念ながら失敗してしまう人もいれば、それと全く同じ方法を取って成功する人もいます。このようなとき両者は同じような事をしているように見えて、実は「見えていない部分」が違っていることも多く、それが成功と失敗を分けていることもあります。

しかし時には両者が全く同じ方法を取っていても、結果が変わってくることも少なくありません。そのような場合、それは単に「時代に合っていたかどうか」ということが問題となっていることもあるのです。

どれだけ良いものだとしても、市場に出すタイミングが早すぎれば広がるスピードが遅く、多くの場合は世の中に広まり受け入れられるまでの時間がかかりすぎるため、起業家の資金が尽きてしまいます。また逆にタイミングが遅くなった場合には、競争相手が多くなって価格競争に巻き込まれるために利益が少なくなったり、代替品の登場などにより売れなくなり、投資した資金を回収することができなくなり失敗するのです。

そのため、どれだけ良い商品やサービスであったとしても、提供する市場へのタイミングが合っていなければ、残念ながら簡単に駆逐されてしまうのです。そして数年経ってほかの起業家が、自分が失敗した市場に、同じような商品やサービスを持ち込んで大成功するのを見てほぞを噛むことは珍しいことではないのです。


そうは言ってもこの「タイミング」を、何か特別に測定する機械のようなものがあるわけではありません。そのため、ある程度見切りで発射するしかありません。ただ「タイミングが事業の成功と失敗を分けることもある」ということを知っていれば、「もしかすると少し早すぎたか」と気付くことができますし、来るべき時期を待つために資金を温存する計画に切り替えて、立ち上がれないほど大きな失敗をすることを防げます。

こうやって文章に書くと簡単そうですが、実際自分が当事者になってみると、そこまで冷静な判断をするのは難しいものです。しかしこれを知っているのと知らないのとでは雲泥の差です。起業家は、起業したから終わりではありません。当然、起業してからがスタートです。思った通りに行かないのは当然で、その時々でベストと思われる決断を繰り返していき、生き残っていく必要があるのです。

そのためには、「努力と根性」だけでは到底生き残ることはできません。想定通りに行かなかったときにはさまざまな仮説を立て、その仮説をひとつずつ潰していく必要があります。その仮設のひとつに「自分のビジネスモデルではなく、単にタイミングを外していただけではないか」という質問を入れてみるのはどうでしょう。

事業は自分だけで行うものではなく、様々な条件によって結果が変わります。そう言ってしまえば、まるで「運」に頼っているように聞こえるかもしれませんが、実際わたしは(自分の経験からも)「運」が左右している部分も多いと思っています。またそう思っていれば、もし仮に失敗したとしても、何度でも挑戦できるでしょう。最初から成功するのは難しいかもしれませんが、自分の時間とお金を勉強代として使えるのであれば、ドンドン挑戦してみるのもいいかもしれませんね。


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