専門の人に依頼するのと自分でやって節約するのはどちらがオススメ?

専門分野はその専門の人に依頼するのがいいのか、それとも自分でやれることはやったほうがいいのかというご質問を頂きましたので、ここで少し考えて見たいと思います。この「専門家」というのは例えば、会社設立のときの司法書士や、記帳や決算における税理士、法務や訴訟における弁護士や、特許の取得における弁理士などが当てはまるでしょう。

特に起業したての頃は、自分でできることはなるべく自分で行って、出て行く現金を少なくしたいと考える気持ちになるのは理解できます。ここで考えるべきは「どちらが特か」という問題ですが、これは単に「支払う料金(価格)が安いかどうか」というだけではありません。

例えば、ある作業をするのに、自分で調べて行ったら100時間かかるとします。そしてそれを専門分野の人に頼めば10万円かかるとしましょう。するとこの作業は、あなたが時給1,000円(10万円÷100時間)で行っているのと同じということになります。

あなたがその作業にかかる100時間を、何かほかのこと(例えばあなたの事業など)に使って、時給1,000円以上稼ぐことができるのであれば、自分ですると100時間かかるその作業を自分がするのではなく、誰か専門の人に依頼して10万円払ったほうが特でしょう。しかしもし逆に、あなたが一時間に500円しか稼ぎ出せないのであれば、100時間かかったとしても自分でその作業をしたほうが特だということになりますね。


もちろん、これはお金の問題だけではありません。契約や税に絡む問題は自分が専門分野でないが故に、のちのち問題となったり逆に自分にとって不利益な結果となることもあります。そのため、総合的に考えて自分でその作業を行って節約するのか、それともその道の専門分野の人へ依頼するのかを検討することになるでしょう。

ちなみにわたしは、もともと法律や数字が好きですし、いろいろな知識に対しての知的好奇心が旺盛ですので、趣味と実益を兼ねて「専門分野の人にお金を払って相談しながら、作業自体は自分でやる」ということが多いです(ただし現在は、グループ会社への影響がある部分は専門の人へ依頼しています)。

わたしのようになんでも自分でやってみようとすると、もちろん専門分野の人に依頼するよりクオリティが下がってしまうこともあります。わたし自身も、とても不利な契約を締結してしまったりもしました。しかし、それはすべて自分の経験となっていきますので、わたしはそれも勉強代として受け入れています。

さて、これには正解はありません。ここでお伝えしたいのは「どちらを選ぶにしても(自分でやるにせよ、専門分野の人に依頼するにせよ)どちらにもメリットとデメリットがあり、あなたはそれを受け入れる必要がある」ということです。起業家は、全てにおいてメリットだけではなく、デメリットをも理解し受け入れておく必要があります。それも起業家に求められる素質のひとつだと思います。さてあなたは、全てにおいてデメリットをも理解し、そして受け入れているでしょうか?


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