再投資すべきか撤退すべきかを迷った時の秘策

ビジネスを行っているなかで、さらに追加でお金をかける必要がある場合、再投資するかしないかを迷うことがあります。それがある程度の利益がでている事業であれば、投資対効果で測ることもできます。しかし、まだ採算ベースに乗っていない場合や、乗っていても予定通りの成長をしていない場合には、お金をかけて続けるべきか、それとも撤退するのかを考えることとなります。

事業は始めるより撤退するほうが難しく、勇気が必要だと言われます。前向きな決断を行うときには、夢にあふれており成功することを疑わずに踏み出しますので、まだ容易です。逆に撤退するときには、その夢が破れたことを認める必要がありますし、今までの損失を確定しないといけません。

そのため多くの人は、決断することを先延ばしにします。ときには第三者から見ると再投資することが、とても合理的には思えないことでも、「ここでやめたら全てが無駄になる」などと理由をつけて走り続けてしまうケースも珍しくありません。このように思い込んでしまうと、どれだけ助言しても(よっぽど素直な人以外は)聞く耳を持たずに突っ走ってしまいます。

そして結果、前以上に損失を膨らませてしまうことになるのです。実は、私自身もそのような考えで損失を膨らませていたのに撤退できない事業がありました。そしてその時に撤退できたのは、次のように考えてみたからです。


もしこれが私自信の事業ではなく、全く知らないほかの起業家から提案された事業だとして、その起業家から今の私の事業における実績を示された上で、「ぜひ投資をして欲しい」という提案を受けているのだとしたら、私はどうするのだろう。はたして私はこの事業に喜んでお金を出すだろうか。

その時の私の答えは「NO」でした。その後、私はその事業への投資を行うのを辞め、他社への事業を譲渡してその事業からは撤退しました。もしその時に、再投資を続けていたらと思うと、いまでもゾッとします。

自分のこととなると、多くの人は冷静さを失ってしまいますので、このように自分自身の行動を第三者の目で見て判断する癖をつけると、冷静な判断を行うことが可能です。さあ、あなたも自問してみてください。あなたの事業に、本当にあなたは投資家としてお金を出すことができますか?


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