起業家の皆さん!利回りを勘違いして提案していませんか?

証券会社を通して上場会社の株式を買う場合、通常利回りが3%でも高いと言われるため、勘違いして「投資してもらったら利益の6%でも配当すれば上場会社の配当の2倍だから十分だろう。切りよく5%くらいで提案してみよう」と思っておられる人がいます。

この5%が高いか安いかと言う話はここではしません。ただ、考え方が正しいのかどうかというだけです。なぜ、この考えが間違っているかと言うと「投資家が投資した金額」と「会社が得た利益」を、一緒にしてしまっているからです。少し判りにくいと思いますので、例を出して説明してみましょう。

(上場会社A社の例)

  • 発行株式数:100株(a)
  • 購入時価格:1万円(b)
  • 決算時利益:10万円(c)
  • 今期の配当:5万円(d)
  • 一株の配当:500円(d÷a)

こんな小さな金額で上場している訳はありませんが、ここでは簡素化して書いています。この会社は今年10万円の利益(c)から5万円を配当(d)として分配することにしました。それを発行株式数(a)で割ると1株500円となりますので、1株を1万円で買っていたあなたは5%(500÷10,000)の利回りとなりました。


しかしこれは、A社が利益の5%しか配当していない訳ではありません。この場合は利益の50%(d÷c)を配当に回しているにも関わらず、あなたの利回りは5%となるのです。逆に同じ500円の配当でもA社の株を五千円で買っていた人は10%の利回りとなります。

このように、投資家が受け取る利回りと、会社が出した利益の分配比率は同じではないのですが、混同しやすいので気をつけてください。ちなみに、この「利益に対する分配率」のことを、「配当性向(はいとうせいこう)」といい、得られた利益のうち、どれだけを投資家に還元するかを表しています。

これを「投資額に対する分配率」と間違って解釈して投資家にオファーをかけていると、なかなか話がまとまらないかもしれませんので、頭の片隅に置いておいてください。

もちろん、利回りだけが全てではありません。しかし、あなたの勘違いで話が進まないのは勿体無いと思いましたので、少し記事にしてみました。少し難しいかもしれませんが大切ですので、何度か読み返して理解してくださいね。


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