お金を出してくれるという人は詐欺や怪しい話ではないですか?

ある事業で起業したい、でもお金が足りないと思っているところに「お金を出すので一緒にやりましょう」という人が現れることがあります。必要な資金を出してもらえるとなれば、願ったり叶ったりですが、これを受け入れても大丈夫なのでしょうか。

多くの人は「ただより高いものはない」とか「そんな都合のいい話は詐欺に違いない」と根拠の無いままに拒否することでしょう。しかしわたし達エンジェル投資家や個人投資家は、実際このような形でお金を出しています。

このような形でお金を出すことを「投資(または出資)」と言います。投資について本当のところを知れば、これが怪しい話や詐欺ではないと理解することができるのではないかと思いますので、ここで少しご説明してみましょう。

まず投資家などが「お金を出す」という行為についてですが、これは「投資」という経済活動(ビジネス)のひとつであることを知っておく必要があります。そのため、ただ善意や無条件で見返りを期待せずにお金を出すものではありません(これは寄付です)。

お金を出す側は通常、見返りとして「お金が増えること」を期待しています。つまりお金を出す対価として「お金を出した事業が成功した場合に、そこから得られる利益をもらう権利を買っている」と言えるのです。


この「利益をもらう比率」は投資した人が「お金を出した比率」と同じです。少し投資家目線で例を出すと、投資家が必要額の10%のお金を出すと(出資をすると)利益の10%を、50%を出すと利益の50%をもらう権利を買っていることになるのです(起業家から見ると売っていることになります)。

ここまで聞くと起業家より投資家だけに有利なようにも聞こえるかもしれません。しかし投資家は成功したときの利益が期待できる反面、「事業が失敗してもお金を返せとは言えない」という側面も持っていますので、どちらが有利ということはないのです。

では最初に戻って見てみましょう。最初の例に当てはめてみると「お金を出すので一緒にやりましょう」というオファーは「利益を受ける権利と引き換えに事業が失敗しても返さなくていい資金を提供しましょう」ということになるのです。

どうですか?「お金を出すよ」というオファーが、怪しい話でも詐欺でもないことがおわかり頂けたのではないでしょうか。ただし投資はその特性上、行政などから受け取れる助成金や補助金、また寄付などとは違うことも念頭に置いておく必要があるでしょう。

あなたはそれを理解したうえでエンジェル投資家や個人投資家、ベンチャーキャピタルなどをビジネスパートナーとして迎えるようにしてくださいね。あなたが良いビジネスパートナーと出会われることをお祈りしています。


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