売れない商品を売る方法

大々的に広告を打つことが出来れば、ビジネスが軌道にのると信じて疑わない起業家は少なくありません。そしてそのような起業家の多くは、現在のビジネスが自分の想定通りに進んでいない原因を、豊富な広告資金の無さだと結論付けるのです。

しかしわたしの経験では、実際に広告費が少ないことが原因となってビジネスが失敗するという例はほとんどありません。またその逆で、軌道に乗っていないビジネスに潤沢な広告費を使ったことによって、その事業が軌道に乗った例も見たことも無いのです。

もちろん自分一人の経験ですので、あまりアテにはならないかもしれません。しかしわたしはこのような経験から、「広告」と「事業の成功」というのは全く別のものであると認識しているのです。

とはいえ広告が一種の起爆剤となる事は少なくありません。そのため現在売れているものを、もっと多くの人の目に触れさせることにより、より多くの売上げを期待することはできるでしょう。つまり今「1×100」であった場合には、適切に広告を使う事によってそれを「1×10,000」や「1×100,000」にしていく事ができるのです。

しかしこれは「今既に売れている」という前提です。


もし今泣かず飛ばすの状態で「0×100」だったとしたら、そこにどれだけ広告を打ったとしても、それは「0×10,000」や「0×100,000」となるだけで、結局答えは「0」のままなのです。つまり広告は「足し算」ではなく「かけ算」だと言えるでしょう。

このような事は、起業する前にも後にも、基本誰も教えてくれません。その逆に、売れないからと広告代理店などに相談しようものなら、「毎月広告費をかけ続ければ、徐々に認知されて売れるようになってきます」と営業され、売上げを上げたくて相談したはずのあなた自身が、広告代理店の売上げに貢献するだけとなってしまいかねません(相手もビジネスですから責めてはいけませんよ)。

そうならないために、これから起業しようと思っているあなたや、既に起業したものの売上げを上げるために広告を使おうかどうか迷っている新米起業家のあなたには、ぜひ「広告費をかけたからといって、売れていないものが売れるようにはならない」と知っておいて欲しいと思います。

売れるかどうかは必要とされているかどうかです。今売れていないのだとしたら、その理由を素直な態度で見つめ直してみてはいかがでしょう。さて、あなたの提供している商品やサービスは、あなたがターゲットとしている人が本当に必要としているものでしょうか。またそれは支払われる対価にあったものと言えるでしょうか。

広告費を大きくかけるのは、その商品やサービスが売れるようになってからでも遅くありません。焦って広告費へ大金を支払い、それが原因となって資金ショートしてしまうということがないようにしてくださいね。あなたの成功をお祈りしています。頑張ってください!


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