お金を儲けるのかどうかをハッキリと決めておこう

社会性が強く「これは世の中に絶対必要だ!」と思った商品やサービスを広げて行こうと思うと、起業家はまず次の2つの方向のうち、自分たちがどちらの方向で進むのかを決めなければなりません。一つ目は「寄付やボランティアを募る方法」、そしてもう一つは「利益を得て存続していく方法」です。

これは、お互い相反するものですので、基本共存させることはできません。しかし、これをはっきりと意識している人は少ないように思います。これはきっと、日本人特有の「お金は悪」とか「清貧の美学」が根底にあるのでしょう。

ここをしっかりと理解して、あえて「自分たちのビジネスは、どちらを選ぶのか」を決めておくことが、失敗の確率を下げるためにも必要であるとわたしは思っています。もし、ここがはっきりと決まっていない場合、「最大のサービスを、最低の料金で提供すること」を目指してしまいます。

「それができれば最高じゃないですか!」とあなたは思うかもしれません。当然、それが成り立てば最高です。しかし多くの場合それは成り立たず、スタートから数年も持ちこたえることさえできず、資金ショートしてしまいます。

たとえその事業がどれだけ素晴らしいものでも、資金ショートしてお金が無くなってしまえば、家賃も払えませんし、従業員の給料さえ支払えなくなってしまい、最後にはその素晴らしいサービスを提供することができなくなるのです。そうなってしまっては、本末転倒ではないでしょうか。


大切なのは「決める事」です。あなたがもし「お金を取らずに広げたい!」と願うのであれば、その考えに賛同する人から、お金や労力を提供してもらう方向に動きだせばいいでしょう。しかしこの場合は、どこかで「自分だけは儲けよう」という考えを持ってはいけません。

その考えが頭をもたげた時点で、いままで自分の理念に賛同してくれていた人たちは離れていきますから、どれだけ軌道に乗っていた事業でも、そこから一気に崩壊へ向かって進んでいくことになります。もし、その可能性が少しでもあるのであれば、最初から利益を求めて行くほうがいいでしょう。

また最初から「きっちりと利益を取って広げたい!」と決めれば、「限界を認めること」が必要になってきます。どれだけ良いものでも利益を求めれば、本当にそれが必要な人のところに届けることができない可能性が出てきます。

なぜなら、それを本当に必要とする人に、それを購入するだけの資金が無いかもしれないからです。しかし、ここはある程度割り切って考える必要があります。もしそれが出来なければ、やはり資金が足りなくなり、ゲームオーバーとなってしまうでしょう。

さて、あなたのビジネスはどうですか?寄付やボランティアと、お金儲けが混在しているような形になっていませんか?まずは、「自分がどちらを選ぶのか」を考え、そして決めてみると、自分が進むべき道がはっきりと見えてくるだけでなく、失敗の確率をも減らすことができますよ。


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