大企業の会社員が起業するときに陥りやすい罠

経営者が、いつも悲観的なことばかりを、口にしているようではいけません。しかしだからと言って、楽観的すぎるのも危険です。とはいえこれは、それぞれ人の性格によるものですから、意識して変えるのは難しいのかもしれません。

そうは言っても、これから起業しようとする人へは、どうしてもわたしは「自分がこれから歩む道を、あまり楽観視しすぎることがないように」と助言したくなるのです。

こう言うと決まって「ご心配ありがとうございます。でも大丈夫だと思います。今までもそうでしたが私は何をやっても、なぜか何とかなるのです」と言われる方も少なくありません。そしてこのように言われる方のほとんどは、ある程度の規模の会社に勤めている会社員なのです。

わたしも会社員として勤めていたことがありますが、確かに会社員の時代は、同じような感覚をわたし自身も持っていたような気がします。

いま思えばそれは、まるで10代の子供が、自分でお金を稼いだことも、また稼ぎ方さえ知らないのにも関わらず、「もう自分は立派な大人で、親の助けがなくても、なんとか一人でも生きていける」と思っているのと同じような感覚だったと感じます。


会社員の時代は、自分がすべきことをたとえ放置していたとしても、それが会社としての不利益となる場合は、自分以外の誰か(例えば上司や同僚など)が、会社の利益のために「代わりにどうにかしてくれる」ことも少なくありません。

しかしそれは、あなたに実力がある故に尊敬の気持ちから、進んであなたの代わりにやってくれているわけではなく、あなたが放置することで会社(または上司や同僚に)不利益となるからと、ただ仕方なく(または嫌々でも)代わりにやってくれているだけかもしれません。

これを勘違いして「私には人を動かす力がある」とか「みんな私を助けてくれるからなんとかなる」と思っているのだとしたら、独立開業したり起業したりしたのちに、その勘違いに打ちのめされる事になるのです。

あなたがもし、独立開業や起業を考えているのだとしたら、まず「希望的観測(こうなったらいいなという希望に基づいた目標)は捨てること」をオススメします。また、事業プランを立てる際には「なるだろう」ではなく、「ならなければどうするか」と考えるようにしてください。

これはわたし自身の経験から出ている助言です。少し厳しいかもしれませんが、あなたが「何とかなるだろう」と思って飛び出して、後悔するのをわたしは見たくありません。あなたは、わたしと同じような失敗をしないでくださいね。


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