若手起業家が友人と起業するメリットとデメリット

若手起業家が、仲の良い学生や同僚、友人達と一緒に起業するのは、とても心強いスタートとなります。そのメリットはたくさんありますが、中でも一番嬉しいのは、「相談できる人がいる」というところだと思います。

起業家は、スタートするまでも、実際事業を開始してからも沢山の決断をし続けなければ行けません。起業には適齢はありませんが、若手であればあるほど、一般的には当然、決断の経験が少ないでしょうから、一人で決断しなければいけないというのは、大きなプレッシャーとなります。

従業員や出資家がいる場合は、そのプレッシャーも大きなものになります。もちろん、一緒に起業した友人に相談したから、自分の責任が少なくなるという訳ではありません。若手起業家といえども代表者なら、たとえ友人と一緒に起業しても、またたとえ若手であったとしても、それは誰かに責任を転嫁できるものではなく自分の責任です。しかし、その決断までの過程において、社内に相談できる人がいるというのは、本当に嬉しいものです。

では、友人との起業がメリットばかりかというと、そうではありません。なぜなら、起業後しばらくは仲の良かった友人達でも、しばらくすると、使う側・使われる側と認識が分かれて来るからです。その理由を見てみましょう。


若手起業家は、家賃も光熱費も友人への給与も払う側です。友人達は、協力したとはいえ、給与をもらう側です。「払う側」と「もらう側」、立場が反対なのですから、もちろん考え方が変わってきます。これは厳密に言うと、彼(彼女)たちの言葉が変わったのではなく、若手起業家自身の意識が変わっていくのです。

すると、どうしても社内で歪みが出てきます。このようになる原因は、仲間意識やひがみ、また一緒に起業したのだから同等に扱ってほしい、という甘えなどが原因のひとつにあるのかもしれません。どちらにしても、しばらくすると社内で分裂し出すことが多いです。

しかし、すべて完璧というものは、世の中にはありません。ここで話した若手起業家に限らず、私たちはみんな、ひとつを取ると、ひとつを失う。つまり何を得て、何を捨てるかという選択をし続けているだけです。

あなたが、もし、この若手起業家であった場合、こんなメリットとデメリットがあることを念頭に置き、「自分が何を得るのか、そのために何を失う可能性があるのか」ということを知って、それを受け入れていれば、何も恐れることはありません。あなたが、あなたの友人と共に起業されることを、私は応援していますよ。


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