成功と失敗を分けるのはビジネスモデルではありません

昨日から、事業の成功と失敗を分けるものは、何なんだろうと考えていました。私は、出資者を募集されている方へ、投資することが仕事ですので、これは、絶えず気にしている事のひとつです。

よく「ビジネスモデルが成功と失敗を分ける」と言われます。しかし、これは間違いだと私は思っています。良いビジネスモデルや、良いビジネスアイデアがあれば成功するというのは、すこし乱暴すぎるような気がします。

なぜでしょうか。それは、ビジネスモデルの良し悪しというのは、単なるスタートしたときに、優位に立てるかどうかに過ぎないと思うからです。

「うさぎとかめ」という昔話がありましたが、あの話で言うとビジネスモデルが良いというのは、うさぎでスタート出来るというだけの事です。では、その後の成功と失敗を分けるものは、一体何でしょうか。

もちろん、ひとつには絞れるほど単純ではないと思います。しかし、あえて挙げるとすれば私は、「その起業家の危機管理能力が高いかどうか」というのは、重要な要素、それも結構な比重を占めるほど重要だと、経験から感じています。

例えば、あるビジネスモデルに基づき事業計画や資金計画を立てた際、その計画ありきで、その後のプランを構築してしまう人と、その計画が崩れた場合のパターンをいくつも想定して、それぞれに対してその後のプランを構築している人と、どちらが成功する確率が高いと思いますか?


もちろん、それは後者です。

どんな人でも完璧に未来を予想し、それに対する想定ができる訳はありませんが、様々な「起こって欲しくないシュチュエーション」を想定してプランを練っている人は、想定から外れた問題が起きた時にも、首尾よく問題を処理する可能性が高いと思います。

自分が立てたビジネスモデルに対して、最悪のシミュレーションをするというのは、自分の子供を痛めつけているような気持ちになるのかもしれません。しかし、それは、失敗の可能性を大きく引き下げてくれることでしょう。

私も毎日のように、投資を希望されている起業家の方とオンライン面談を行いますが、このような危機管理能力が高い方とお会いすると、投資実行にむけての可能性が飛躍的に高まります。

もしあなたが今、起業を考えられているのでしたら、ご自身のビジネスモデルに、最悪のシミュレーションの試練を与えてみてください。また、あなたの夫(旦那)が起業されようとしているのでしたら、この記事を読ませてあげてください。きっと、そのビジネスモデルは洗練され、大きく成功に近づくと思います。


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