出資してもらって起業した後も個人事業を続けてもいい?

会社員でサラリーマンをしている時に、個人事業主としてサイドビジネス(副業)を並行して行っている人は少なくありません。では、サラリーマンではなく、起業家の場合はどうでしょう。誰かに、起業する資金を出資してもらって、ビジネスをスタートさせたあと、個人事業主としてサイドビジネス(副業)を並行して行っていても良いでしょうか

まず、あなたが出資者を募集した法人と同じ業種で、個人事業を行うのは、辞めたほうがいいでしょう。なぜなら、それは、あなたのビジネスに出資した投資家と、税務署の両方から「会社が得るはずの利益を、社長のあなたが、個人の口座に逃がしているのではないか?」と疑う元となるからです。

例えば、あなたはウェブ制作の会社をしているとします。そして個人事業としても、同じウェブ制作を行っています。そして、A社からの受注は会社、B社からの受注は個人事業ということで、B社からの受注分だけ、自分個人の口座にお金を振り込ませるのです。

どうですか。少し、違和感を感じませんか?


会社が本来得るはずの利益を、個人に移してるように見えませんでしたか?もしこれを、会社員のサラリーマンがやれば、横領です。それは、役員であっても同じことです。

では、業種が違えばいいでしょうか。会社はウェブ制作で起業して、社長は個人で健康食品を売っている。これなら、健康食品の方は、個人事業として分けてもいいでしょうか。これは、税務署的には問題がないようです(もちろん、確定申告はしてくださいね)。

しかし、あなたの会社の出資を引き受けた投資家としては、どう感じるでしょうか。あなたのビジネスに出資した、投資家の気持ちになって考えみてください。業種が違うとはいえ、自分が投資した会社ではなく、社長自らの口座へお金が振り込まれてるのを知ったら、あまりいい気はしないかもしれません。

こう考えると、出資者を募集して、法人を募集設立する場合には、個人事業で行っていることも、設立した新規法人で行うか、また、どうしても分けたいのであれば、その理由を最初に投資家に話をして、理解しておいてもらうのが良いでしょう。出資者と起業家は、お互いに、長く付き合うパートナーです。誤解を招くようなことは極力避け、良い関係を続けるようにしていきたいものです。


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