事業譲渡を受けて起業する安全起業法

今、既に軌道に乗っているビジネスが売買されることは、そんなに珍しい話ではありません。小さなものでいうと、利益が上がっている、または多くのアクセスがある、ウェブサイトを売買することがあります。もっと大きくなると、事業全体、時には従業員なども含めて売買されることもあります。

私は、自分が起業家だった頃、この両方を売り手として経験しました。つまり、私が売った側で、ウェブサイトや事業全体を、それぞれ違う時期に、違う会社に買ってもらい事業を譲渡しました。

このような事業譲渡による起業をした場合、買った側は、一定の売上や利益が見えます。売買をするときには、「売上(または利益)の何年分」というように、事業譲渡の価格を決めます。そのため「今の状態が続けば、何年で元が取れる」というのが計算できるのです。

出資家を募集されている起業家の方が、もしこのような「事業譲渡によるスタート」を考えておられる場合、出資する側とすれば、リスクが少なくなるため、前向きに検討する方は多いでしょう。でも、ここで気をつけるべき点がいくつかあります。


まず1つは、「なぜ、利益が出ているのに相手は売るの?」という部分を明確にすべきです。満足する利益が出ているのであれば、通常は売ったりしません。その売る理由が、あなたの納得出来る理由でなかった場合、事業譲渡を受けるからといって、リスクを減らすことにならないこともあります。

つぎに2つ目ですが、事業譲渡をする際には、絶対相手の会社自体をもらってはいけません。会社譲渡を受けてしまうと、その会社が持っているマイナス(借り入れ・連帯保証など)の部分も全て引き受けることになってしまいます。

これら2つに気をつければ、事業譲渡による起業は、出資者を募集できる十分魅力的な案件になり、ときにはリース会社や銀行を使った売買も可能です。あなたの周りで、高齢のため事業継承の目的で事業譲渡したい方を含め、そんなお話があれば、今の話を念頭において、一度お話を聞いてみられてはいかがでしょうか。


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