コレを考えて起業していますか?失敗した場合の撤退

起業を考えている、多くの起業家(創業者・ファウンダーとも言います)の方は、自分の起業プランを立るにあたり、成功を前提としたプランで計画を立てていることが多いように思います。

例えば「3ヶ月後には、これくらい売上が上がって、6ヶ月後には従業員を3人採用して、1年後には税引き前利益がこれくらいになって・・・」。多くの起業家は、このように、順調に行ったプランだけを想定して起業プランを立てています。

何故、そう言い切れるかと言うと、私自身、毎日のように、出資者を募集しておられる起業家の方と、出資面談をしたり、有料で起業コンサルティングをしています。その会話の中で、多くの方が「順調プランのみ」で起業を計画されていると感じているからです。

もし、その起業プランが、思い通りに軌道に乗らなかったとしたら、どうすればいいのでしょうか。どこまで行けば、第一段階の成功なのか、逆に、どこまで行けなければ、起業プランが機能していない、つまり、その起業プランは「必要とされていないサービスやものである」と判断するのか、これを明確にしておく必要があるでしょう。

成功のラインは、例えば、売上が1年で○千万円行けば第一弾の成功で、ここから第二弾のプランに入ろうというように決められるでしょう。逆に撤退ラインであれば、売上が1年で○百万円以下であれば、または、資本金がゼロになったら撤退しようというように決められるでしょう。


撤退は、ただ単に事業や会社を辞めるたり、たたんだり(閉じたり)という事だけを指しているのではありません。撤退すると不要になる資産を売ったり、撤退する事業自体をほかの人や会社に譲渡してもいいのです。そして、事業をお金に変えてから撤退すればいいのです。

実は、この「撤退」。これは、起業するより100倍難しいと感じます。誰しも、自分の過ちを認めたくはありません。撤退ラインを決めていても、いざ撤退するとなったら、何かを言い訳をつけて「いや、今年は○○があったから」とか、「もう1年やってみないと判らない」と理由をつけて先延ばししようとします。

私も起業家時代には、たくさん撤退を経験しましたので、この気持ちはよく判ります。でも、撤退ラインを決めない、または、決めた撤退ラインを守らないと言うのは、確実に傷口を広げ、自分の資産(お金や時間)を減らしていきます。

逆に言えば、どれだけ失敗したとしても、この撤退ラインをきっちりと決め、その決めたルールに従って撤退していれば、何度起業して、何度失敗しても、また再起できるだけの余力が残っているのです。

あなたには、起業前に、この撤退ラインについてお教えしました。あなたは「成功プランと撤退プラン」の両方を持って、起業プランを練ってください。そのような起業プランを持っていれば、もしあなたが、出資者を募集しようと思ったときにも、エンジェルや個人投資家にとって、あなたのプランは、とても魅力的なものに映るでしょう。あなたの成功をお祈りしています。


エンジェルコラム一覧を見てみる

投資家ブログを見に行く